マルチリンガル

一度に複数の外国語を勉強すると混ざる?!―マルチリンガルは特別なことじゃない

言語をマスターするのにはかなりの時間と労力を要しますが、たまに“いくつも”外国語ができる友人、いませんか?!「一気に何言語もやるなんて混ざりそう」「適当に手を出したら全部中途半端になるだろう」…複数の言語を学習することについて、世界のマルチリンガル環境を通して考えてみましょう!

世界標準は、“いくつも学ぶ”

日本では日本語を話す日本人が99%。普通に暮らしていたら外国語は必要ありません。日本人にとって、“外国語学習それ自体”が大きなチャレンジであります。さらに、日本人にとって「外国語といえば英語」という常識も存在します。英語以外の言語を勉強するという選択肢をもつ人は帰国子女とか、海外旅行のチャンスがあってよほど感動的な経験をしたという人に限られる。日本で二つも三つも外国語ができる人、多くの場合は英語プラス何かの言語ができる人は少ないです。

多国籍

でも世界標準は多言語学習が当たり前。というのは、中国やスイス(ドイツ語地域)なんか、地域別の方言が大きい国では、 “家庭のことば”と“学校のことば”が大きく異なるので、小学校入学段階から“母語以外の言語で”勉強する形になります。それに加え、外国語の授業では英語やフランス語など、新たにもう一つ言語をやることに。多言語学習は特別なことではありません。

多国籍家族

アフリカやアジアの旧植民地国でも、前述した“家庭のことば”と“学校のことば”が異なることが多いです。リゾートで有名なバリ島なんかも、地域のバリ語と国語のインドネシア語を使い分けるのが普通。自国の言語の他に旧宗主国の言語を学ぶことも多いので、二つ以上の言語をやることになります。また、多くの国と隣接するヨーロッパでは「母語+2言語」の原則があり、外国語を最低二つはやることになっています。イタリア語とフランス語とか、文法・語彙の面で似ている面があるため一度に何言語も学びやすい、というインセンティヴはあるのですが。このように、海外では社会的・政治的に多言語が必要とされるから、自然にいくつも学ぶようになるのかなと私は考えています。日本のTHEモノリンガルかつ、英語のモノリンガル志向を中心に世界を見てはいけない!ことが明らかになりました。

いくつも学ぶことはかえって近道?!

次は「何言語も一気に学ぶ方法」について。新しいことを二つ同時に始めるというのは大変なことですが、日本以外の国ではどうなっているのでしょうか?言語教育の研究では、母語の能力や、一つ目の言語を学んだ時の経験が、二つ目以上の言語学習を支えると考えられています。母語能力は一見、外国語を学ぶのに邪魔になるように思われますが、世界に関する知識や一般的なコミュニケーションの能力は外国語を使うときでも大いに役立つものです。

多言語

また、初めて外国語を学ぶときにわたしたちが身に着ける「学習方法」や、「外国人とのコミュニケーションの仕方」は外の言語の学習にも使えます。日本人のケースだと、中学でSVCを使って英語の文法を習った人は、同じSVCの構文をもつ言語の学習が簡単になる、など(この方法の良し悪しはここでは触れずに…)。加えて、一つ目に習った外国語を使ってどのように外国人とコミュニケーションをするのか、言葉に詰まったときにどのように逃げるか、相槌の打ち方は日本語とどのように違うのか、などの「戦略(ストラテジー)」が第二言語以降の学習にも活かせるのです。

マルチリンガルへの道

多くの読者の皆様と同じように、筆者は中高で英語を学びました。大学ではフランス語とドイツ語をやったのですが、はじめは「日本語をいかに忘れて勉強するか」が重要だと思って勉強していました。留学した時も、日本語を話した(話してしまった)時間を日記につけて反省するなんてこともしていました(笑)。もちろん学習中の言語に浸り、たくさん読んでたくさん聞くことはとても大事です。でもモノを考える力や、文章を組み立て論理立てて話す能力などは、使い慣れている母語でやるのが一番手っ取り早く、脳に負担もかかりません。また、フランス語やドイツ語をやった時は英語の知識を大いに使いました。同じアルファベットだから!という以上に、ボキャブラリーや文法の面でかなり英語の知識が役に立ちます。

だから、外国語学習でもその能力を活かさないわけにはいかない!外国語を学ぶと、自分や周りの人が普段どのようにコミュニケーションして、意見を主要しているかを嫌でも確認することになるのでとても有意義です(あんまり観察しすぎて友だちなくさないように(笑))。

まとめ

日本の外に出てみれば、多言語学習なんて当たり前 !英語を学ぶときには日本語の力を、その次の言語をやるときには英語と日本語の力を…と積み重ねていけるのが外国語学習の面白いところ。

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