【離婚できない?!】不思議なフィリピンでの結婚事情

フィリピン人との国際結婚には、日本では想像し難いようなちょっと不思議な手続きや慣習があります。私も、現在 その不思議な手続きを経験している真っ最中。長年、様々な国に滞在した私でも「何故?」と思うことばかり。そこで、今回は、ちょっと不思議なフィリピンでの結婚に関する制度・慣習・手続き等をご紹介します。

離婚できない?!

フィリピンは、(バチカン市 国の他)世界で唯一離婚が認められていない国です。キリスト教国であり、 統計上80%以上の人口がカトリック教会に属している国、フィリピン。法令制定にも、カトリック教会の意見が大きく影響するため、教会で行う結婚は永久のものとして考えられており、離婚することが法律上認められず、 離婚という制度自体存在していません。

では、フィリピン人は 離婚しないのか?というと。。。実はそうでもない。

国際結婚の場合は、外国人側の国の法律に従って成立した離婚をフィリピン国がrecognizeする(認める)形で事実上の離婚が成立します。

フィリピン人同士の結婚で離婚する必要がある際は、annulment(婚姻解消) という手続きを行います。Annulmentとは、そもそも結婚したということをなかったことにしてしまう驚きの手続き。法令上・宗教上離婚できないけど、婚姻の事実を遡って消してしまうという「裏技」なのです。この「婚姻無効」手続き、裁判所の介入が必要で、裁判手続きや弁護士の雇用等で、手続きに相当な費用と時間がかかることになります。このため、中級以下の庶民はほぼ手がでない制度 。また、婚姻事実が無くなるので、婚姻関係にて出来た子供の対処等で問題が発生したりもします。

このような制度のため、実質は、結婚という手続きを踏まない事実婚カップルがたくさんいたり、法令上結婚したまま、実質は長期間別居、次の相手と再婚手続きを踏まずに事実婚の状況に入っていたり、と問題が多発しているのがフィリピンの婚姻事情。

 

独身を証明する必要がある国際結婚

 

日本人同士の結婚であれば、婚姻届を提出すれば婚姻成立ですよね。但し、国際結婚ではそうもいきません。どの国の相手と結婚する場合も若干複雑な手続きが生じます。例えば、 外国人としてフィリピン人と結婚するには、婚姻要件具備証明書(独身である旨等結婚できる状態である旨を証明するもの)を準備する必要が生じます。 これは、フィリピンでの国際結婚に関わらず、どの国の方と結婚する場合も生じる手続きだと思います。

上記の章のような問題があるからでしょうか、それとも日本のようなきちんとした戸籍制度がないからでしょうか。。。フィリピンでの結婚は、フィリピン人同士であっても、政府による婚姻許可書の発布が条件となります。申請書を政府に提出し、結婚する「許可」を入手した上で、結婚するのです。申請の手続きの一貫として、結婚を希望するフィリピン人は、所属する市役所で10日間婚姻許可書を申請している旨を一般公示します。もしかしたら、実際は未だ他の誰かと婚姻関係にあるかもしれないからでしょうか。。。この10日間誰からも異議申し立てがない場合のみ、つまり独身であることが証明できたら、次のステップに進めることになります。

 

義務付けられるプレメリッジカウンセリング

結婚したい旨が個人情報とともに一般公示され(笑)、10日間無事経過したら、次は、市役所や教会によるPre-Marriage Counseling(結婚事前講座)に進みます。カウンセリング等の文化があまりない日本では、何故結婚に未だ問題のない間からカウンセリング?と驚かれるかもしれません。 フィリピン人同士であったとしても、2つの全く違う価値感や文化が交わる結婚。そのような生活が始まる前に心の準備をするためのカウンセリングという位置づけです。 期間は、役所や教会によって違いますが、半日のものから数週間のものまであります。同講座をクリアすると、やっと婚姻許可書が発行されます。

目玉は子豚の丸焼き!大人数のわいわい披露宴

手続きが終了したら、いよいよ結婚式。フィリピンの結婚式とはどんなものか皆さんご存知でしょうか?フィリピンはスペインや米国文化にかなり影響されていますので、結婚式も、欧米のものと近い形で行われます。 一方、様々な宗教や民族・文化のあるフィリピンですので、地域やその文化によりかなり違いもでます。 私も、フィリピンのいろいろな地域で友人や仕事仲間の結婚式に参加させてもらいました。花嫁含む女性なしで挙式が行われ、その後皆で披露宴を行うムスリム地域の結婚式や、 村祭りのように、村全体で通りすがりの人も参加する田舎の結婚式等私の目には珍しく映る結婚式にも遭遇しました。

過去に参加した結婚式で相対的に言えるのは、ゲストの数が多く、かなり壮大に挙式や披露宴が行われる、ということ。どうやら、披露宴に来るゲストの数やその豪華さでstatus(ステータス)が計られると認識されている様子。また、フィリピン人は家族が多いこともその壮大さの理由のひとつ。まず兄弟等が多いので、家族の人数等が多いのですが、その他「親戚」が多い。 例えば、私は第3等親程度までを「親戚」と認識していますが、私の婚約者は第6等親までを「親戚」として見ています。そうすると家族・親戚のみで100人を軽く超える場合も。 私たちは、自ら希望する「こじんまり婚 」を達成するため、 彼の親戚が来にくい(笑)別の都市のリゾートで挙式・披露宴を行うことにしました。

フィリピンでの披露宴の目玉は子豚の丸焼きです。スペイン料理の影響を受ける「レチョン」という料理。ムスリム地域以外では、クリスマスや、お祭り、誕生日等お祝い事には欠かせないアイテムです。おせんべいみたいにカリカリになった皮を皆でつつきながら、わいわいと楽しい 披露宴が催されます。

 

まとめ

私は今まで、学校や仕事の関係で5カ国に居住しましたが、それぞれの国で、結婚式に参加することが大好きでした。結婚式からいろいろな文化や価値観の違い、国の制度の違いが学べますよね。外国人のお友達がいる方、ぜひ結婚式の習慣を聞いてみてください。とても面白い発見があると思います。

 

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shima

shima

グローバルに活躍する女性コンサルタント。米国ミシガン州立大学・ジョージワシントン大学大学院を卒業、米国研究機関等(Woodrow Wilson International Center for Scholars とProgram for International Studies in Asia )にて職務。その後、日本・東南アジアを中心に国際開発業務に10年以上従事。 現在、フィリピンをベースとし、フリーコンサルタントとして、国際機関、ビジネス、 NGO等をクライアントして業務中。