TPPってな〜に? 〜大学生と元外資系金融マンの経済コラム29〜

慶應義塾大学に通う大学生が経済誌を読みコラムを書き、それに元外資系金融マンがコメントをするという、新しい形の経済コラムです。

大学生Hのコラム

アメリカのTPP離脱

 

 “アメリカTPP離脱”

2017年1月に新聞の見出しに大きくこう書かれていました。そのTPPに関する会議が9日夜にベトナム中部ダナンで行われたようです。10日の首脳会談で正式に確認するものの大筋的には合意に至ったようです。なので少しTPPとアメリカの離脱による影響について考えたいと思います。

 

 そもそもTPPって

 TPPとは“Trans-Pacific Partnership”の略で日本語にすると「環太平洋経済連携協定」と言う意味です。参加国は、日本、オーストラリア、ブルネイ、チリ、ベトナム、カナダ、メキシコ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポールの11ヶ国となっています。目的としては、その11ヶ国で関税を落として自由に貿易をしよう!というものですね。この11ヶ国の国内総生産(GDP)の合計は全世界の12%を占めるとも言われています。

 

 メリットとデメリット

比較

 では日本はなぜこのTPPに参加しているのでしょうか?日本は輸出国のため、TPPによって関税の廃止がされれば、日本のGDPが約3.2兆円も上がると言われています。しかし一方で農産物は輸入品の方が圧倒的に安いために国内の農産物は壊滅的な状態になると言われています。と言うのも現状では米には778%、小麦は252%、バターは360%もの関税がかけられています。そのため日本は“米・小麦・乳製品・砂糖・牛豚肉”の5品は“聖域”として輸入品の鉄板を廃止しないことを条件にTPPに参加しました。つまりどの国も海外には輸出したいが、安い値段で輸入したくない!と言うことです。

 

 アメリカ離脱の理由

 そんな中どうしてアメリカは離脱したのでしょうか?その理由はもちろんアメリカが損をすると思っているからですよね。その理由としては

・輸入量が増えGDPが落ちる

・アジアの安い労働力によってアメリカの雇用が減る

の二つがあげられます。アメリカは当初は“自動車”に関税をかける聖域として参加しており、農作物の輸出が増えるためにメリットが大きい気もするのですが、それ以上に雇用が減ってしまうデメリットなどが大きいのかもしれません。

まとめ

 アメリカの脱退はもちろんTPPにとって大きな痛手です。アメリカは世界のGDPの25%以上を占めていると言われているために、どの国にとっても一番の取引相手がいなくなってしまったわけです。

 また日本はアメリカと二国間の自由貿易協定(FTA)も視野に入れていますがまだまだ何も決まっていないような状態のため、アメリカとの自由貿易はまだまだ先になりそうです。

引用:

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23305090Z01C17A1000000/
http://sirundous.com/ponics/tppsankac/
https://news.vesta.onl/2016/03/24/news-column-5/
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171110/k10011218291000.html
http://everything-is-changing.com/archives/1852

元外資系金融マンのコメント

TPP

自由貿易やTPPは一口には言い切れないほど複雑に利害関係が絡み合っていますね。その瞬間であれば、国の輸出量から換算して、どの契約が自国にとって得かはわかります。しかし、経済関係を強めることで、戦争状態に突入しないであったり、未来の雇用問題、未来の人口問題であったり、自給率の問題であったりと重要な多くの問題が絡み合ってきます。

しかし、これも世の中の大きな流れから見ると、もう少しすっきりするのではないかなぁと個人的には思っています。それは、《世界は一つになっていく流れ》であるということです。人類は、《統合の歴史》だと思うのです。最初は村から始まった人類も、だんだんと居住地域が増えてきて、戦国時代には、今の日本の中に多くの国がひしめきあっていました。日本は徐々に統一され、ついには徳川時代として天下統一がなされたわけです。同じような歴史が、中国にもあり、韓国にもあり。これは、人の《移動スピード》と《情報伝達スピード》による統治の簡易化が原因なのではないでしょうか。そう考えると、より世界は狭く、一つになっていくというのが流れだと思います。昨今の都民ファーストや、トランプ大統領のような地域主義のようなものは、大きな流れの中の揺り返しと捉えています。そんな中、世界が一つになっていくと、何が重要になるのか?AIによる計画経済でしょうか?逆にもっともっと小さなコミュニティによる生活でしょうか?はたまた宇宙進出でしょうか?答えは、そのどれもであるような気がしています。このまま無策に進めば人類は滅亡。一つになるという流れの中で、日本の古来の考え方ではないですが、滅私奉公で、人のために尽くせるかということが、今後の社会で重要になると考えています。