【私のバイヤー体験談②】大変なこと&苦労したこと vs バイヤーをやっていて良かった!と思ったこと

前職でアクセサリーのバイヤーをやっていた私が、実体験をもとにお届けする【私のバイヤー体験談】シリーズ。

前回の第1弾では、「バイヤーのなり方」や「必要な英語力」についてお話してきました。第2弾の今日は、実際に私がバイヤーをやっていて大変だったことや苦労したこと、逆にバイヤーをやっていて良かった!と思った事についてお届けしたいと思います!

(参考)【私のバイヤー体験談①】バイヤーのなり方は?必要な英語力ってぶっちゃけどれくらい…!?

今だから言える苦労話の数々とは

「バイヤー」というと、華やかで楽しいイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はどんな苦労があるのでしょうか?

 

  その1. バイヤーは体力と気力勝負!

バイヤーになると、海外の展示会に赴く機会も多くなります。香港やフランス、アメリカなど、世界の主要都市でさまざまな展示会が催されますが、その規模は日本をはるかに上回ることもしばしば。全てを見て回るのに、3日間ほどかかることもあります。バイヤーたちは、限られた時間で最大限の収穫を得ようと、連日、朝から晩まで歩き回ります。

もちろん、展示会の場合は設備や送迎も整っているので、それほど大変でないことが多いのですが、自らメーカー回りをする場合や、訪問する国によっては、少々覚悟が必要なことも。

あるとき、私がストールの買い付けのため一人でインドに出張したときのこと。この時はサプライヤーといくつものアポイントを取り付けていました。女性の一人歩きが危険なインドでは、サプライヤーがホテルからオフィスまで送迎する習慣があるので、ありがたく送迎してもらったのですが…オフィス・工場があるのは、ほとんどが車で1時間以上の郊外。しかも、道路はガタガタ道、渋滞も激しく、私はあっという間に車酔いしてしまいました…。

こういった交通事情のため、移動に時間がかかり、時間が押してろくに食事も取れないまま次の商談へ。そしてまた長時間の車移動で車酔い…という悪循環を繰り返しているうちに、気づけば立派な胃腸炎に。

しかし、お金をかけて仕事で来ている以上、商談をキャンセルするわけにもいきません。日に日に体調が悪化するなか、正露丸を片手に真っ青になりながら、最後は気力だけで文字通り這うように任務を遂行した私…。あの数日間は、今思い出しても本当に地獄のようでした(苦笑)

これは極端な例かもしれませんが、世界を飛び回るバイヤーにとって「体力と気力」は絶対不可欠といえます。

 

  その2.そんなのアリ…!?予想を超えるハプニングも

そして、海外とのビジネスとなると、避けて通れないのが予期せぬハプニング。むしろ、思い通りにならないことのほうが多いかもしれません。

例えば、納期を守らないサプライヤーはザラにいます。サプライヤーにも繁忙期があり、生産が追いつかないのは理解できなくもないのですが、あるとき、「火事で工場が消失したから出荷できない」と言われたときには、びっくりして開いた口がふさがりませんでした(苦笑)こう言われてしまうと、どうしようもありません。本当なら大変なことですが、ちょっと疑いたくなりますよね…!?

また、実際に音信不通になってしまったり、倒産してしまったりと、バイヤー泣かせの取引先は多いもの。こういったトラブルを避けるために、バイヤーには企業の信用度を見極める力や、リスクを予想して納期をコントロール力も求められることを痛感しました。

 

  その3. 商品が売れないのはバイヤーの責任…

バイヤーにとって、最も大切なことといえば「売上」です。売れて初めて、バイイングが成功したことになります。商品自体の良し悪しはもちろん、「価格設定」や「売り方」も、売れるためには欠かせないファクターです。

私がバイヤーとして駆け出しだった頃、肝心の「価格設定」や「売り方」で失敗することはよくありました。ある日、まだ価格設定の感覚がよく分からずに、先輩に相談をした私。相談というより、ほぼ先輩頼みで「売価を付けて欲しい」とお願いしたようなものでした。

先輩は、快く売価設定をしてくれたのですが、このとき、正直「かなり強気な設定だな」と感じていたのです。でも、経験のある先輩がつけたのだから間違いないだろうと思い、そのまま売り出すことに。

結果は…惨敗。案の定、「高い」という反応がお客様やスタッフのあちこちから上がってきてしまったのです。しかし、一度店頭に並んだものを安易に価格変更するわけにもいかず、販促を一生懸命模索したものの、かなりの在庫が売れ残る結果に…。

このとき、自分の責任で売価を決めなかったことを深く反省しました。商品のことを一番よく知っているのはバイヤー自身。そこにお客様の心理や市場の需要を考慮し、「これなら売れる」という微妙な「さじ加減」を加えることこそが腕の見せどころなのです。

バイヤーをやっていて良かったと思う瞬間

ここまでお話すると、なんだか苦労ばかりが目についてしまいますが、もちろん、バイヤーには他では味わえない「喜び」や「やりがい」を感じる瞬間もあります。

 

その1. 商品化されたものが売れたときが一番嬉しい♡

バイヤーの一番の喜びは、なんといっても「自分の仕入れた商品が、実際に売れて、お客様に喜んでいただける」こと!

実際に、お客様が購入してくださった現場に居合わせたときや、スタッフから「これ好評ですよ!」と言ってもらえたときには、今までの苦労もどこへやら。「バイヤーをやっていて良かった!」と心から思う瞬間です。

成果が目に見えてわかるので、厳しさもありますが、やりがいも大きく感じることができます。

 

  その2. ビジネスを通じて、いろんな国の人々と出会える!

そして、もう一つの喜びは、「バイイングの仕事を通して、さまざまな国の人々と出会える」こと。これは、もともと英語が全くダメだった私にとっては、非常に大きなことでした。

なかには、バケーションばかりでビジネスがなかなか進まない国や、巧みな話術で少しでも相手に有利な条件をふっかけてくる国など、外国人相手ならではの仕事のしづらさもあります。それでも、そんなお国柄の違いを肌で感じたり、実際に商品が生まれる現場をこの目で見ることができたり、いろんな国に知り合いができたりすることは、バイヤーの醍醐味といえるでしょう。

仕事をしながら、世界のいろんな国を訪れたり、人々と触れ合えるなんて最高ですよね!


いかがでしたか?

バイヤーという仕事は、苦労も付き物ですが、「商品が生まれる瞬間から、商品がお客様のもとに届く瞬間まで」を見届けられる、唯一の仕事です。だからこそ、バイヤーという名の人々は、「商品への強い思いやこだわり」を持っているアツい人が多いように思います。

これは私の体験談の一部に過ぎませんが、バイヤーを目指す方にもそうでない方にも、何か心に響くものがあれば幸いです。

次回(最終回)は、「バイイングの現場で役立つ実践英会話」についてお届けします!

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apricot

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英語を完全に諦めかけていた20代最後のある日、「やりたい事をやろう!」と思い立ち、7年勤めた大企業を辞めて単身カナダへ。ワーキングホリデーを通して「英語を使って世界中の人とコミュニケーションできる楽しさ」に目覚め、帰国後も仕事や国際交流で英語に触れる日々を過ごす。国際結婚後、現在はアメリカ・オハイオ州在住。アメリカの生活に役立つ情報や面白ネタをお届けするブログ「Days in the U.S.A」を運営。