『早期英語教育は間違い』って本当⁈4ヶ国語育児を通して思うこと

 

小学校でも英語が教科に加えられ、早まる一方の英語教育ですが、最近は幼児への英語教育は間違いだとする反対派も目立ち始めました。バイリンガル育児を成功させるポイントについて、4ヶ国語のマルチリンガル育児をしている私の視点から書いてみました。

幼児への英語教育はしない方がいい?

 

最近は一気にアンチ早期英語教育の波が強くなったように感じます。

『英語の得意な親ほど早期英語教育に冷淡』という記事がPRESIDENT誌に掲載され、テレビでは、幼児への英語教育を全否定する内容の番組が放送されて話題になりました。

先に言っておくと、私は早期英語教育には賛成派です。ただし、反対派の言い分も理解できますし、高い教材や無理やり『英語を教える』という点には反対です。

メリット・デメリットをふまえた上で、4ヶ国語環境で2児を育てている私自身の経験と、早期英語教育のポイントをご紹介したいと思います。

我が家の言語事情について

はじめに、うちの子供たちの言語環境について少し説明させてください。

私(日本語が母国語)はイギリスでポーランド人(母国語ポーランド語)の夫と結婚して、娘が2人います。

私は客室乗務員の仕事をしていたので、フライトで留守のときはポーランド人の義母(ポーランド語のみ)が子供たちの面倒を見ていました。

さらに、上の子が3歳のときにフランスへ引っ越すことになり、イギリスで幼稚園で英語を学ぶことなく、フランスの現地校に通うことになりました。

そして1年半後、再びイギリスへ戻り、イギリスの現地校に編入しました。

  • 日本語=母国語、母親と話す言葉
  • 英語・フランス語=学校で使う言葉
  • ポーランド語=父親と話す言葉

という位置付けになっています。

『子供の脳はスポンジだから、3ヶ月もすれば言葉を習得できる』と散々周りに言われましたが、そんなのは全く嘘で、娘がようやくフランス語を話し始めたのは入学して1年経ってからです。

早期英語教育のデメリットとは

アンチ早期英語教育の人たちの主な言い分は、母国語が確立しないうちに外国語を学ぶと思考能力が育たない、英語よりも母国語である日本語習得を優先すべき、です。

母国語が中途半端なまま他の言語にも手を出すと、どれも中途半端な、いわゆる『ダブルリミテッド』や『セミリンガル』になってしまう危険があるというのは、私も事実だと思います。特に私の住むロンドンでは、ミックスの子供たちが非常に多く、小さいうちは英語オンリーの子供たちと比べて言語が遅いという話はよく耳にします。

5歳までには遅れを取り戻す

確かに小さいうちは1言語環境の子供たちに遅れをとることが多いマルチリンガルの子供たちも、5歳ではほとんど差がなくなるという報告もあります。

2014年からは、イギリスでも外国語が必修科目に加わり、英語しか話せない人が多いことで有名だったイギリスも、ついに外国語を早くから学ぶことの意義に気づいたようです。

 

▶︎参考URL: http://opus.bath.ac.uk/47484/

他言語環境でも母国語の習得は可能

日本で日本の学校に通う場合、小さい頃から英語を教えたからといって日本語の基盤を揺るがすほどの影響力を持つとは考えにくいのではないでしょうか。

でも、海外に住んでいると子供の日本語を維持するのは大変です。

よくあるのが、日本人のご両親が、英語で子供に話しかけたり、日本語と英語を混ぜてしまって、子供の日本語も英語もルー大柴さんのルー語のようになってしまったいう話です。

私も極力日本語以外は話さないようにしたり、日本語教室に子供を通わせたりと、かなり努力をしています。

このように、大変ではありますが、生まれたときから他言語環境にいても、母国語の基盤を作ることは可能です。

バイリンガル育児のポイントは2つ

 

 

  • 小さいうちから英語を聞かせる。
  • 英語は教えない。英語で楽しむ。

 

小さいうちから英語を聞かせる

英語と日本語では使われる周波数が全く違うので、日本人は日本語にない音を聞いたときに、無意識にそれに似た日本語の音に置き換えて発音してしまうそうです。

<日本語と英語の周波数比較>

  • 日本語:125ヘルツ〜1500ヘルツ
  • イギリス英語:2000ヘルツ〜12000ヘルツ
  • アメリカ英語:750ヘルツ〜5000ヘルツ

生後8ヶ月くらいまでの赤ちゃんは、すべての周波数を聞き分ける能力を持っていると言われています。その期間に聞かなかった周波数の音は、大人になってから聞き分けることができないそうです。

私は脳科学者ではないので、正直これが本当なのかは分かりません。でも、やって損することもないので、自分の勉強も兼ねて、授乳中や家事の間のBGMとして英語を流していました。

英語は教えない。英語で楽しむ

英語を無理やり勉強させようとしても、逆に英語嫌いになってしまうのが落ちです。

英語の歌(『YouTubeでNursery rhymes(童謡)』で検索するとたくさん見つかります)を一緒に歌ったり、ディズニーのアニメを一緒に見たり、とにかく親子で一緒に楽しむようにしてみましょう。

たとえお子さんが興味を示さなくても無理維持せず、また別の機会に試してみましょう。英語は楽しいと思ってもらうことが大切です。

やる気を出した子供の言語習得能力はすごい!

実はうちの娘は、フランスに行くまで全く英語をしゃべりませんでした。『ちょっと英語を教えたほうがいいのかな…』とポリシーを曲げそうになったこともありましたが、無用の心配でした。

フランスで英語をしゃべる女の子と出会い、その子と会話をしたいという一心で、今までインプットしてきた英語が一気に口から溢れ出て、ものすごいスピードで上達していったのです。

『子供は言葉をすぐに習得する』のは嘘。でも、『やる気を出した子供の言語習得力は半端ない』のは本当です!

高い教材を買って、無理やり英語を勉強させるのではなく、英語は楽しい、英語を学びたいと自分から思わせるような環境を作ってあげるのが、早期英語教育の本来の姿なのではないでしょうか。

 

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saae

saae

ロンドン在住のフリーライター。イギリス・フランスでの10年以上の生活経験を活かし、海外生活や子供の多言語教育、接客英語、イギリス英語などについての記事を主に執筆中。都内外資系ホテルのコンシェルジュやイギリスで客室乗務員としての勤務経験あり。獨協大学フランス語学科卒業。英検1級、TOEIC980、フランス語検定準1級。